揉み返しと好転反応 動画
動画の解説文
揉み返しと好転反応
皆さんこんにちは。
皆さんはお客様から「揉み返しと、好転反応の違いは何か」と聞かれたら、きちんと説明することができますか?
どちらも外部刺激によっておこる反応ですが、揉み返しと、好転反応には、医学的な線引きは存在しません。
しかし、お客様の納得できる説明を、求められる場面も少なくないので、是非、今回の内容を参考にしてみて下さい。
まず、揉み返しとはどういったものでしょうか。
前述したように、揉み返しには明確な定義はなく、一般的には、施術を受けた後に感じる、痛みなどの不快感として認識されています。
揉み返しが起こる原因として、最も多く考えられているのは、強すぎる圧や、局所的な施術による、筋繊維の経度損傷、所謂“炎症反応”といわれています。
感じ方としては「ズキズキする」、「チクチクする」といったものが多く、「肩が痛い」「首が痛い」「この場所が痛む」というように、どこが痛むのか、概ね特定でき、比較的狭い範囲に不調を感じるのが特徴です。
殆どの場合、施術された箇所そのものに不調を感じます。
続いて好転反応について見ていきましょう。
好転反応とは、元々東洋医学の治療過程で用いられていた言葉です。
漢方や、鍼治療の考え方の中では、瞑眩反応とも呼ばれています。
好転反応が起こる要因として考えられているのは、血行不良の改善から起こる、老廃物の循環です。
毒素や、老廃物を身体の外に排出する過程で起こり、身体が正常な状態へ戻る際に起こる、一時的な反応と考えられています。
感じ方としては「ふらふらする」、「倦怠感がある」といったもので、「全体的にだるい」「なんとなくだるい」「この辺りが痛む」というように、どこが痛むのか曖昧で、比較的広い範囲に不調を感じるのが特徴です。
殆どの場合、施術された箇所に限らず、全体的に不調を感じます。
2つの特徴を比べてみると、「揉み返し」はややネガティブな印象があり、「好転反応」はポジティブな印象があるようにみえます。
揉み返しは、施術後の不快感の総称として用いられることが多いですが、
好転反応は読んで字のごとく、身体が良い方向に転じていく過程で起こる反応なので、「ダルさがおさまると体調がスッキリした」という声を聞くことも少なくありません。
揉み返しの原因として考えられる筋繊維の損傷は、強すぎる刺激、局所的な施術によって起こることが多く見られます。
圧の強弱というのは、セラピストの調整だけでなく、施術を受ける側のコンディションによっても左右されます。
例えば、身体に力が入っている場合、筋肉の弾性が失われるため、外部からの刺激を受け止めきれずに損傷しやすくなっている可能性があります。
つまり、セラピスト本人は強く押していないつもりでも、場合によっては負荷をかけているケースもあるのです。
マッサージに不慣れな方や、脱力が苦手な方を施術する際は特に注意して行い、声掛けをするなどして、圧の調整を行うようにしましょう。
また、揉み返しと予想される痛みが出た場合、痛いからといってその部分を再び揉んでしまうと、傷口をえぐるのと同じ行為になりますので、やらないように注意しましょう。
いかがだったでしょうか。
先にもお伝えしたように、揉み返しと、好転反応には明確な定義や、線引きはありませんが、お客様の不安や、心配を取り除くためには、ある程度の基準が必要です。
今回の内容を参考にして、接客に役立てていただければ幸いです。
それでは最後におさらいをします。
揉み返しは、外部刺激による筋繊維の損傷により起こり、殆どの場合、施術された箇所そのものに不調を感じます。
好転反応は、血行不良改善による老廃物の循環によりおこり、殆どの場合、施術された箇所に限らず、全体的に不調を感じます。
施術する時の圧の強弱は、セラピストの調整だけでなく、施術を受ける側のコンディションによっても左右されるので、不快感を与えないよう、心配りも忘れないようにしましょう。
最後まで動画をご覧いただき、ありがとうございました。
それではまた次の動画でお会いしましょう。
動画制作者:森脇ゆう
実際にサロン勤務をはじめると、たくさんのお客様に出会い、様々なご質問をいただきます。セラピスト、施術のプロとしてお答えできるように知識を備えておきましょう。
この動画が役に立つ日が必ず来ると思います。皆様のお役に立てるよう、わたくしも日々精進していきます。
