ヘルニアの基礎知識 動画
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ヘルニアの基礎知識
皆さんこんにちは。
今回は、身体の健康に関する仕事をしていれば必ず聞いたことのある“ヘルニア”についてお話させていただこうと思います。
まず、そもそもヘルニアとはどういった状態のことを指すのでしょうか。
ヘルニアとは、臓器などが本来あるべき場所からはみ出してしまった状態のことを指し、
はみ出した位置によって、○○ヘルニアというように名称も変わっていきます。
その中でも今回は、特に聞きなじみがある“椎間板ヘルニア”にスポットを当てていきます。
椎間板とは、積み重なった椎骨の間でクッションの役割をしている軟骨のことを言います。
椎骨は重なり合い、上から順に、頚椎、胸椎、腰椎を形成し、それらをまとめて、
脊椎と呼びます。
激しい運動や、長時間の不良姿勢、老化によって、椎間板がはみ出した状態を“椎間板ヘルニア”といい、はみ出た椎間板が神経に触れることにより、強い痛みやしびれが生じます。
ヘルニアが生じた部位により、頚椎椎間板ヘルニア・胸椎椎間板ヘルニア・腰椎椎間板ヘルニアと分類されます。
その中でも腰椎椎間板ヘルニアが最も多いとされ、“椎間板ヘルニア”と聞くと、腰の不調を思い浮かべる人も多いのではないでしょうか。
椎間板は縦方向からの圧力には強い反面、曲げたり、捻ったりといった動作には比較的弱いという特徴があります。
そのため、悪い姿勢を長く続けていたり、前かがみで重いものを持つことが多いというような、極端に偏った生活習慣がヘルニアの発症率を高めるとされています。
腰椎のヘルニアに続けて多いとされる頚椎のヘルニアは、交通事故などが原因で起こることが多いとされてきましたが、近年ではパソコンやスマホの普及により、その発症率は上がってきているとも言われています。
ヘルニアの発症部位で変わるのは名称だけではありません。
表れる症状も様々で、腰椎のヘルニアの場合は、腰はもちろん、臀部や脚にまで痛みやしびれがおこり、歩行が困難になる場合もあります。
頸椎のヘルニアは首や肩、腕や手に強い痛みやしびれが生じ、日常生活では、お箸を持ったり、ボタンをかけるなどの指先を使う動作が難しくなるという症状が表れます。
胸椎のヘルニアも他のヘルニアと比べると痛みは少ないものの、歩行困難や、脱力感などといった症状が表れます。
ヘルニアの治療として、一般的に知られているのは、安静を心がけるといった所謂、保存療法と呼ばれているものです。
消炎鎮痛剤や筋弛緩剤の投与や、ブロック注射、コルセットなどを用いて行うものですが、それでも症状が改善されない場合、手術に至るケースもあります。
ヘルニアと思われる症状が表れた場合は、早めにきちんと、病院で専門医に診てもらうことが先決です。
それでは、我々リラクゼーションセラピストには一体何ができるのでしょうか?
例えば身体を捻る動作。
一般的には身体を捻ることは“腰を捻ること”と同じように捉えられていることも少なくないですが、この“捻る動作”に最も関与しているのは、実は『胸椎』です。
そしてこの胸椎の動きに影響を与えているのは肩甲骨のコンディションです。
次に、腰椎は骨盤のコンディションから影響を受けるため、骨盤に接する股関節の柔軟性や可動域を保つことが重要となります。また、腰椎は腸の位置にある為、お腹の健康状態も関係しています。
最後に、胸や腕、肩周辺の筋肉の収縮によって猫背になり、悪い姿勢が続くと、頭部、そして頚椎に悪影響が及ぶことは言うまでもありません。
つまり、ヘルニアの症状を理解し、日頃からヘルニアにならない身体づくりをサポートすることが、我々セラピストにできることではないでしょうか。
ぜひ今回の内容を参考にしてみてください。
それでは今回のまとめです。
ヘルニアとは、臓器などが本来ある位置からはみ出てしまうことをいい、
もっとも知られている椎間板ヘルニアは脊椎の間から椎間板がはみ出た状態を指します。
脊椎は上から頚椎、胸椎、腰椎からなり、ヘルニアが生じた部位により症状が異なり、部分的な不具合だけでなく、日常生活にも支障をきたします。
必ず病院を受診し、安静にすることが第一となります。
ヘルニアは老化によりおこるケースあるため、防ぎきれない場合もありますが、セラピストとしてできることとして、ヘルニアの症状を理解し、ヘルニアになりにくい身体づくりのサポートをすることが考えられます。
そのためにも、常に勉強を続けていきましょう。
これからもセラピストの皆さんに役立つ情報を提供していきますので、よろしくお願いいたします。
それではまた次の動画でお会いしましょう。