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股関節の働き(前・後編)動画

動画の解説文

股関節の動き《前編》

 

皆さんこんにちは。

今回は『股関節』をテーマに、股関節の動きと、関連する筋肉ついて学んでいこうと思います。

是非、最後までお付合いよろしくお願いします。

 

本題に入る前に、まず股関節の特徴を押さえておきましょう。

 

  • 股関節の特徴

股関節とは、骨盤と大腿骨を繋ぐ関節で、脚の付け根に当たります。

 

股関節の構造は、骨盤の窪みの中に、大腿骨の骨頭がはまっていて、その中をクルクルと動くようになっています。

 

この関節の構造を『球関節』といい、よく“お椀とボール”に例えられる事があります。

 

この構造のおかげで、前後左右の動きや、捻るといった回旋動作まで、非常に幅広い関節運動を行うことができます。

 

股関節に付着する筋肉は、身体の中でも、大きく厚みがあり、多くの筋肉が重なっているため、日常生活の中でも重要な働きをしています。

同時に、疲労すると腰痛や転倒など、様々なリスクに繋がるため、日頃のケアが重要なポイントとなります。

 

それでは、本題の『股関節の動きと、関連する筋肉』について見ていきましょう。

 

 

  • 股関節の動作と筋肉

まず注目する動作は股関節の『屈曲』です。

 

屈曲とは足を前に上げる動作のことをいいます。

足を前方に上げる動作なので、基本的には股関節の前側にある筋肉が働きます。

 

日常動作の中では、歩行時に踏み出す動作や、椅子に腰かける動作の時に働き、

スポーツの場面では、ボールを蹴るなどの動作で働きます。

 

動作のメインとなるのは『腸腰筋』という筋肉です。

 

腸腰筋は背骨の側面、腸骨の内側から始まり、恥骨を介して前方にせり出し、そしてまた後方にカーブして、大腿骨小転子に着くといった配置になっています。

 

前方にせり出す配置になっているため、腸腰筋が硬くなると、骨盤は前傾、それに伴い背骨も前弯、所謂“反り腰”の傾向が強くなります。

 

そうすると、身体の重心が前へ行き過ぎてしまうので、それにブレーキをかける形で、背中側の筋肉が硬くなってしまい、腰痛の引き金になります。

 

また、年配の方に多くみられる、“低い段差でつまづく”、“何もないところで転んだ”という事例は、腸腰筋の衰えが原因であるケースも少なくありません。

 

腸腰筋の作用には『屈曲』の他に股関節の『外旋』があり、ストレッチをする時は股関節を『内旋』することで効果が高まります。

 

もう1つ、股関節屈曲に関して重要になるのが、『大腿直筋』です。大腿直筋は太ももの前側にあたる『大腿四頭筋』の1つで、4つの筋肉のなかで唯一股関節を経由しています。

 

反り腰が強くなると、大腿直筋に収縮方向の負荷がかかるので、太ももが張った感じになったり、痛みがでる場合があります。

逆に言えば、反り腰の腰痛の方に対して、太ももの前側を施術すると、腰への負担軽減に繋がるので、是非試してみて下さい。

 

続いての動作は股関節の『伸展』です。

伸展は、屈曲と逆で、脚を後方に引く動きで、背面の筋肉によって動作します。

 

日常動作の中では、椅子から立ち上がる動作や、

階段を登る時などに、曲げた膝を伸ばす動作で働きます。

 

股関節の伸展で覚えておきたいのは臀筋群です。

 

殿筋群は『大殿筋・中殿筋・小殿筋』から構成されており、さらにその深部には『深層外旋六筋』という筋群が存在します。

 

殿筋群の中で、伸展動作のメインになるのは大殿筋です。

 

大臀筋は、仙骨を含む骨盤の後面から始まり、大腿骨の側面にある、腸脛靭帯に合流する形で付着しています。

腸脛靭帯は膝の関節を越えて脛に付着しているので、大臀筋のコンディションが

膝に影響を与えることもあるという点も覚えておくといいでしょう。

また、筋膜の繋がりで、『広背筋』と高い連動性がるため、イラストのように、左の股関節に不調を感じる場合は、右の広背筋をはじめとする上半身のケアも見逃せないポイントになります。

 

大臀筋と同じく、太もも裏の筋肉であるハムストリングスも股関節の伸展動作に関与しており、こちらも、ケアの際はセットで行うことをおすすめします。

 

いかがだったでしょうか。

 

今回は股関節の『屈曲』と『伸展』にフォーカスを当ててお話させていただきました。

次回はまた別な動作についてお話したいと思います。

 

それでは簡単におさらいをします。

 

股関節とは、脚の付け根に当たる部分のことを言いい、非常に幅広い関節運動を行うことができます。

股関節の屈曲とは、脚を前方に出す動作のことで、主に腸腰筋と大腿直筋が働き、

これらのコンディションの悪化は反り腰を誘発して腰痛の原因になります。

 

股関節の伸展とは、脚を後方に引く動作で、主に大殿筋が働きます。

股関節周辺の筋肉と深い連動性があるので、繋がりをイメージすることが大切なポイントになります。

 

最後まで動画を観ていただき、ありがとうございました。

それでは、後半の動画もご覧ください。

動画の解説文

股関節の動き《後編》

 

全編に引き続き、『股関節』をテーマに股関節の動きと、その動きに関連する筋肉ついてお話していきます。

 

今回フォーカスを当てる動作は、股関節の外転、内転、外旋、内旋です。是非最後までお付合いください。

 

股関節外転

股関節の外転とは、脚を外側に開く動作です。

日常生活で、股関節を意図的に外転させる場面は比較的少ない印象ですが、

歩行時に脚を水平に保つ、特に浮いている方の脚を安定させる時に外転動作が働きます。

 

外転動作で主に働く筋肉は、中殿筋と大腿筋膜張筋です。

 

中殿筋は、大殿筋の1つ下に位置し、骨盤から大腿骨大転子に付着します。

骨盤の安定に関与していると同時に、歩行動作の際は、主に浮いている方の脚の安定、浮かせた脚が落ちないようにキープする働きがあります。

 

続いて、大腿筋膜張筋は、骨盤の横、やや前方から始まり、腸脛靭帯に連結しています。

こちらも骨盤の安定に関与しつつ、つま先をまっすぐキープする役割があります。

 

股関節内転

股関節の内転とは、脚を内側に閉じる動作です。

 

この動きに関わるのは内転筋群で、恥骨筋、短内転筋、長内転筋、大内転筋、薄筋により構成されています。

この中でとくに注目したいのが、大内転筋です。

大内転筋は恥骨と坐骨結節、前と後ろ両方から始まり、停止部も、大腿骨の側面と、膝のあたりまで、非常に広範囲に付着しています。

さらに細かく見ると、内転筋部とハムストリング部とわかれているため、内転動作だけでなく、股関節の伸展動作でも強い力を発揮するといった特徴があります。

 

 

股関節外旋

股関節の外旋とは、つま先を外に向ける動作になります。

日常動作では、身体の向きを変えるなどの動きですが、無意識に使われることが非常に多いとされています。

 

この動きに関わる主な筋肉は、大殿筋、中殿筋、深層外旋六筋です。

深層外旋六筋は梨状筋・内閉鎖筋・外閉鎖筋・上双子筋・下双子筋・大腿方形筋から構成され、中でも梨状筋は坐骨神経痛との関わりが深いことでよく知られています。

 

これらの殿筋群へのアプローチで坐骨神経痛が軽減したというケースは少なくありません。

 

 

股関節内旋

股関節の内旋は、つま先を内側に回す動作です。

 

股関節は構造上、脱力すると外旋位になるようになっています。

地面に脚を伸ばして座った時、殆どの場合つま先は外に向いているかと思います。

その外旋を防ぎ、脚をまっすぐに保つ時の動作で、股関節外旋と同じく無意識のうちに働いています。

 

内旋動作に関わる主な筋肉は大腿筋膜張筋です。

 

この筋肉は股関節の外転でも紹介しましたが、

歩行時に、脚の向きをまっすぐに安定させる働きがあり、“ガニ股防止筋”とも呼ばれています。

 

腸脛靭帯という長くて硬い靱帯に合流するため、直立二足歩行の人間にとって

非常に重要な筋肉で、長時間の歩行で疲労しやすい筋肉です。

 

 

いかがだったでしょうか?

股関節の動き、なんとなくイメージできたでしょうか?

動作と筋肉を結び付けて考えることは、最初は難しいと思いますが、筋肉の起始と停止を意識することで、だんだんイメージできるようになるので、是非トライしてみて下さい。

 

それでは今回のおさらいをします。

 

今回は股関節の外転、内転、外旋、内旋という動作ついてお話しました。

 

外転は脚を外側に開く動作

内転は脚を内側に閉じる動作。

外旋はつま先を外に、内旋は内側向ける動作でした。

 

それぞれの動作に関連する筋肉があり、日常動作の中では大きな動きというよりは、骨盤や歩行の安定に関わる側面が比較的多いという点がとても重要なポイントになります。

 

《前編》の屈曲動作、伸展動作と合わせて、筋肉の連動性や施術の組立てに、是非、活用して下さい。

 

最後まで動画を観ていただき、ありがとうございました。

それではまた次の動画でお会いしましょう。

動画制作者:森脇ゆう

アニメーション動画をご視聴いただき誠にありがとうございます。「50代から始める整体」をテーマに、難しいことをわかりやすく、お伝えするのが、私の仕事です。

今までのサロン勤務、スタッフ教育、スクール講師の経験もとに楽しくご覧いただける動画を作成いたしました。

​今後ともよろしくお願いいたします。

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